中途で絶対入社してはいけないSES企業の特徴

こんにちは。KOUKIです。

現在、Web系企業で働いていますが、これまでたくさんの転職をしてきました。

転職活動中、様々な企業の中途面接を受けており、多くのSES系企業の面接も受けていました。

その中で、「こんな会社に入社したらやばいだろうな」といった危険信号を放つ企業が実在したので、本記事で紹介しようと思います。

SESとは

SESとは、システムエンジニアリングサービスの略で、自社のエンジニアを月●●単価で提携先企業に送りこむ契約形態のことを指します

働き方は、世間一般の派遣社員と同じで、客先常駐が殆どです。

違いがあるとしたら次の点でしょう。

<派遣社員との相違点>
・ 派遣元企業の正社員
・ 自宅待機時でも賃金が支払われる
・ 福利厚生が充実している(住宅手当、資格手当など)
・ 社員感の繋がりがある

因みに「特定派遣社員」という雇用形態もありますが、SES契約と同じものと考えておいて差し支えないです

先ほど挙げた派遣社員との相違点ですが、あくまで「良心的なSES企業」の話です。

現在の日本では、SES企業は星の数ほどあり、やばいところは本当にやばいです^^;

私から見ると、独立系SIerなんかもSES企業ですね。

絶対に入社してはいけないSES企業まとめ

絶対に入社してはいけないSES企業の特徴を以下に纏めます。

CASE1: 未経験大歓迎募集を売りにしている企業
CASE2: あれ?って思う賃金形態の企業
CASE3: 営業が圧倒的実権を握る企業
CASE4: 何次受けだよw的な企業
CASE5: 体質が昭和?と思わせる企業

CASE1: 未経験大歓迎募集を売りにしている企業

求人票に未経験大歓迎を全面に押し出している企業は、「危険」です。

何が危険かというと「スキルアップできない案件ばかり保有している」会社の割合が多いからです。

IT業界は未経験歓迎の募集が多いため、よく勘違いされるのですが、業務未経験の状態からSES企業に入っても開発や構築案件に携われることはほとんどありません

開発エンジニアの一月の単価は60万円以上が一般的です。

お客様の視点で考えてみると分かると思いますが、それほど多くのお金を出して、素人を雇いたいと思うでしょうか?

私なら絶対に発注しません。

それにも関わらず、「未経験大歓迎」の募集をかけているのにはからくりがあります。

世の中には、募集をかけても人が集まらない不人気な仕事が存在ます。

例えば、「ヘルプデスク」や「運用保守」がそれに当てはまります。

これらの仕事は、発注金額が安くスキルアップもできないしょうもない案件が多いです。
※中には好きでやっている人もいます

しかし、未経験大歓迎を謡っているSES企業は、この手の案件が大好物です。

SES企業が成長する絶対条件は「社員の人数が増えること」です。エンジニアではありません。社員です。

派遣先へ送り込む社員の数が増えるほどSES企業は儲かる仕組みになっています。

それが例え、月単価が低い案件であってもです。

例えば、ヘルプデスクとして派遣先に送り込むSES企業があるとします。

ヘルプデスクの一月当たりの売り上げは、すごく安いです(恐らく40万円くらいかな)。

その売り上げからSES企業がマージンを取り、その残りカスが給料としてエンジニアに支払われます。

ここで気づかれた人がいるかもしれませんが、これはひどく危うい働き方です。

何故なら、ヘルプデスクでは開発スキルが身に付かないからです。開発スキルが身に付かないまま無駄に歳をとってしまう典型例とも言えます。

「ヘルプデスクでもVBAなんかでツールを作って、実績を作ればいいじゃん」と思われるかもしれません。それはある意味正解なのですが、お客さんは、「普通に開発経験を持つエンジニア」を雇いたい訳なので、あまり効果がないです。

しかも、派遣社員ならその方法でも通じるのですが、SES企業だと話が違ってきます。

前述の通り、SES企業は「エンジニアを多く派遣すれば派遣するほど利益が出る商売」です。

その為、彼らにとって最も有効な売り方は「一つの現場に長く在籍させること」です。

一つの現場に長く在籍させると彼らには次のメリットが生まれます。

・ 安定した売り上げを得られる、かつ、年度の売り上げ見込みが立てやすくなる
・ 社員のスキルアップを阻止でき、かつ、転職できなくできる(スキルがないため)
・ 社員がお客さんの業務を深く精通するようになるので、別の仕事も発注してもらいやすくなる

怖い。怖い。怖い。

エンジニアからスキルという牙を抜いて低賃金でこき使う」、それが彼らのやり方なんですよ^^

しかも、スキルアップができないままエンジニアが歳をとり、派遣先がなくなってしまった場合、自宅待機で3ヵ月ほど塩漬けにした後、退職に追い込むSES企業も中にはあるそうです。

全ての未経験大歓迎のSES企業がそうであるとは断言できませんが、そういった会社もあるということを覚えておいてください。

CASE2: あれ?って思う賃金形態の企業

SES企業の賃金形態にも注意を払わなければなりません。

よくあるパターンを箇条書きにしてみます。

・ 月給○○万円以上(見込み残業込み)
・ 案件の売り上げ7割をエンジニアに還元
・ 月給 + 配属手当

これらの給与体系は本当に確認したほうがいいです。

例えば、派遣先からエンジニアが契約満了になって、自宅待機の状態になったとします。

普通のSES企業ならその期間を「仕事」として扱い、給与を下げたりしません。

しかし、危ないSES企業の場合、待機中のエンジニアの給料を6割減(下手したら全額)カットするところもあります。

また、案件の売り上げの7割をエンジニアに還元、と謳っている企業も危ないですね。売り上げ単価が低かったら給料がそれに比例して下がるわけですし、その売り上げが社会保険料や企業への営業費などのもろもろの経費を引いた上の売り上げを指している場合、雀の涙程度しか貰えませんねw

例えば、売り上げが70万だった場合、字面だけ受け取ったら「49万円」もらえる感じがしますよね。

しかし、実際は70万から様々な経費を抜いて「50万」、そこから7割なので「35万円」になるというからくりです。

これならフリーランスの方がマシかもしれませんね^^;

月給 + 配属手当のパターンはエンジニアが派遣先で働いているときに付与される特別金です。しかし、待機状態のときは支払われません。

また、良心的なSES企業の場合は、この特別金も賞与額に含めますが、ひどいところだと次のような給与体系のSES企業もあります。

額面上では、26万円は多く感じますが、約3割が配属手当です。
配属手当の割合を多くするのは、「賞与を低く抑えられる」ことや「待機中のコストをカット」する目的があるためです。

加えて、最近だと確定拠出年金を利用する企業もあります。

毎月1~2万円を確定拠出年金の拠出金として給料から天引きさせて、基本給を下げるパターンです。
この施策により「将来は安心」とエンジニアに錯覚させ、その実、支払う賞与を下げたりします。

SES企業から内定が出ても給料体系については、絶対に確認してください。

何度も言うようですが、絶対にです。

CASE3: 営業が圧倒的実権を握る企業

SESの勤務形態は、システム開発・運用を求める企業に対してエンジニアを派遣することから、エンジニアが主役だと思われがちです。

しかし、SES企業の中には、「営業が強い実権を握っている」会社もあります。

テク●プロ・IT社なんかがまさにその典型です。

このタイプの会社の何が問題化というと「エンジニアの出世や昇給に期待できない」ことです。

例えば、テク●プロ・IT社では、営業所の支店長はどの様に決められるかご存じですか?

答えは、支店の「営業」が所長になります。

信じられます?

エンジニアリングサービスで成り立っている会社、かつ、社員の給料を決める支店長クラスが「技術を知らない営業」出身で構成されるのです。

エンジニアだとせいぜいリーダーやグループ長になるくらいで、(それでも)大幅な給料UPは見込めません。

また、支店長クラスになるためには、恐らく営業成績が絡んできます。

営業成績を上げるために、営業はエンジニアに無理難題を押し付けてきます。

例えば、エンジニアが希望している案件とは全く関係ない現場に無理やりねじ込んだり、片道2時間もかかる遠方の現場に派遣したり、説明を受けた仕事内容と実際の案件が異なっていたり、色々です。

やりたい放題ですよ。僕も被害者です!

しかも、会社がどんな案件を保有しているかは「営業しか知らない」状態なので、エンジニアが希望を挙げたとしても「案件がないので~」といって相手にしません。

彼らは、自分の営業成績がよければそれでいいのです。

転職する際は、組織体系について面接時によく確認してください。

支店長や主任の出身が営業の場合は、営業が強い実権を握っている可能性があるので、要注意です。

そういえば昔、とあるSES企業の営業に言われた事があります。

エンジニアにわがままな人が多いんすよ。最近なんて、”一人で客先常駐は嫌だ、同じ会社の人がいる現場がいい”、なんてわがまま言われたんすよ。

皆さんは、これをエンジニアのわがままだと思いますか?

CASE4: 何次受けだよw的な企業

SES企業に入社される場合は、何次受けの仕事が多いかについて必ず確認してください。

先にIT業界のピラミッド構造を説明しておきますね。

IT業界では、次のようなビジネスモデルが成り立ちます。

顧客 → 1次受け企業 -> 2次受け企業 -> 3次受け企業 -> 4次受け企業…etc

1次受け以降の企業は、下請けの会社だと思ってください。

例えば、顧客が100万円のお金を1次受け企業に渡したとします。

1次受け企業は、100万円の内50万円を取り分とし、残りの50万円を2次受け企業に渡します。

それ以降の下りは同じです。自分の取り分を取ったら下請けに仕事を回していきます。

何故、このようなビジネスモデルになっているかというとそれぞれの会社の役割分担が違うからです。

1次受け: 超上流工程(要件の洗い出し、要件定義、プロジェクトマネージャー)
2次受け: 上流工程(基本設計、詳細設計)、下流工程(実装)
3次受け: 下流工程(実装)
4次受け: 超下流工程(テスト)

あくまで目安のため、2次受けが開発やったり、3次受けがテストをやったりと色々です。

IT業界は基本的に人材不足なので、自社の社員では案件を捌ききれないため、単価が低い仕事は下請け企業に回していくのです。

ここで大切なのは、1次受け~2次受けの会社のSES企業入ることです。

この辺りならスキルアップできるし、給料も高くなる傾向があります。お客様次第では、2次受けからプロジェクトマネージャーも出てきたりします。

しかし、3次受け以降の企業だと上流工程に関わる機会が少ない(というかない)ので、成長が難しいですね。

1次受けだと、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを任されるパターンが多いです。

また、案件を途中で抜けることも原則難しいですね。プロジェクト担当者としての顔があるので、基本はプロジェクトが終わるまでずっと拘束されることになります。

上流工程や実装、かつ、プロジェクトフリーな立場を手に入れたいという人は、2次受けのSES企業が一番バランスがよいと思います。

お客様の折衝やクレーム処理は一次受け企業が吸収し、テスト工程等のスキルにならない仕事は3次受けの企業に任せることができるからです。

CASE5: 体質が昭和?と思わせる企業

SES企業の中では、「昭和?」としか思えない体質の企業があるので、要注意です。

独立系SIerのT●Cソフトがまさにそれです。

例えば、T●Cソフトでは部門ごとに度々飲み会が開かれますが、参加しないと査定に響きます。
「飲み会を断ったら降格させられた」という伝説的な話も聞いたことがありますw
※本当かどうかは不明です

そういえば、T●Cソフトは、「ゴルフできないと出世できない」という噂も聞きましたね。

また、別の会社では、朝会に社訓を唱和させられたり、帰社日という理由で夜勤明け社員を強制出社させたり、なんかもありますね。

しかし、企業体質は面接では見抜けずらいんですよね。

この辺は、転職会議やOpenWorkなどの口コミサービスをみて、回避するしかないと思います。
※しかし、あのサービスにも嘘が書かれてたりするんですよね

おわりに

いかがだったでしょうか。

忙しい業務の合間に頑張って転職活動をしてやっと入った企業が、実はブラック企業だったなんて、悲しすぎますよね^^;

SES企業も「様々な技術に触れられる」点など、良い所はたくさんあります。

しかし、中には「エンジニアを商品としてしか見ていない企業もある」ことは紛れもなく真実ですので、十分お気を付けを。

私は、運良くWeb系企業で、自社内開発エンジニアの職を手に入れたので、SES地獄から抜け出すことができました。この記事を書いていて、頑張ってよかったな~~~としみじみ思います^^

転職体験記を書いていますので、よかったら参考にしてください。

それでは、また!

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