派遣社員の仕事術 ~スキルコピー編~

私は、派遣でプログラマ兼SEをしています。

派遣社員の悩みの一つとして、「上手くスキルアップできない」という話をよく聞きます、

そういった方々の為に、私が実践しているスキルアップ手法の一つである「スキルコピー」を紹介したいと思います。

スキルコピーとは

スキルコピーって何?

A子
A子
KOUKI
KOUKI

スキルコピーとはその名の通り、「他人からスキルをコピーする」技です。


スキルをコピーしたい人に張り付いて、その人の「思考」,「作業手順」,「効率の良いやり方」などを逐一観察し、最終的に自分のスキルにします。

これと似た手法に、OJTがあります。

OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)または現任訓練(げんにんくんれん)とは、職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のこと。企業内で行われるトレーニング手法、企業内教育手法の一種である。

ウィキペディアより

しかし、スキルコピーはOJTと違って、「コピーした事実を相手に気づかせないようにする」ことが胆です。

メリット

スキルコピーってどんなメリットがあるのかな?

B男
B男

スキルコピーのメリットは、その人が何年もかかって取得したであろうスキルを必要最小限の労力でコピーできてしまうことです。

多くのサラリーマンは、次のような流れでスキルを習得していくと思います。

人がスキルを習得するまでの流れ
1. 課題に直面する
2. 課題解決のため尽力する
3. 壁にぶち当たる
4. 試行錯誤を繰り返す
5. 課題を解決する
6. 振り返りを行い、効率の良いやり方を検討する
7. 検討内容を実行する
8. 課題を解決する
9. スキルとして身に付く

しかし、上記の流れに無駄な部分があると思いませんか?

壁にぶち当たる」,「試行錯誤を繰り返す」,「効率の良いやり方を模索する」などは正直無駄な工程だと思います。

いやいや、そういうのが大切なんじゃん?」とか思われるかもしれませんが、「スキルを習得する」という観点では、必ずしも必要になるわけではありません。

スキルコピーは、いわゆる逆算の方法です。

スキルコピーの流れ
1. 課題に直面する
2. コピーしたいスキルを持っている人を観察し、効率の良いやり方を知る
3. スキルが自分に馴染むまで手順を繰り返す
4. 他の業務にも応用してみる

スキルコピーの流れはこれだけです。

スキルコピーをしない場合は、一つのスキルを習得するのに数か月から1年以上の時間が必要になります。

一方、スキルコピーの場合は、最適化された手法をそのままコピーするだけなので、一か月もかからないうちにスキルを習得できるのです

まるで魔法のような手法ですが、かなり有効です。

かく言う私も、常に効率の良いやり方を派遣先の社員からコピーするように心がけ、スキルアップをしてきました。

その為、現在は「時給3200円」の高時給案件に携わらせていただいています。

スキルコピーのやり方

KOUKI
KOUKI

スキルコピーの具体的な方法について説明します。

スキルコピーは慣れるまでが大変ですが、一度やり方を覚えてしまえば、あとは同じ手順をなぞるだけです。

ここでは、私の過去の経験を例に挙げて説明します。

私は、3年前に未経験でシステム開発職につきました。当時は、開発については右も左もわからない状態だったので、このスキルコピーを最大限活かして業務にあたっていました。

派遣先では開発リーダーの隣で仕事をすることが多かったので、その人からスキルをコピーしていました。

スキルコピーのポイントは、次の通りです。

スキルコピーのポイント
ポイント1: コピーしたいスキルを明確にする
ポイント2: コピー対象の人にどのようなやり方で作業しているのか聞く
ポイント3: スキルが身に付くまで繰り返し実践する
ポイント4: コピー対象の人に作業の考え方について聞く

一つずつ見ていきましょう。

ポイント1: コピーしたいスキルを明確にする

最初に行うことは、「どのようなスキルをコピーしたいのか」自分の中で決めることです。

難しく聞こえるかもしれませんが、課題に直面した時などに自然と決まったりします。

例えば、javaScriptの効率的なデバッグ方法を知りたかったとしましょう。

プログラミングのデバッグは上級者でも難しく、ましてや初心者だと何をしていいかもわからなかったりしますよね。

私の場合は自己流でデバッグを行っていましたが、「効率が悪いな」と感じていたので、リーダーのデバッグ方法をスキルコピーすることにしました。

ポイント2: コピー対象の人にどのようなやり方で作業しているのか聞く

コピーしたいスキルを「デバッグ」と決めたら、リーダーからデバッグ方法を聞き出す必要があります。

ここで重要なのは、「何もわからないので、教えてください」と言わないことです。

皆さんも経験があると思いますが、こういう思考停止した質問はイラッとしますよね?

リーダーも人間なので、もちろん嫌がります。

その為、このような聞き方をしてみてください。

こういうデバッグ方法を試してみたのですが、なかなか上手くいきません。Tさん(リーダー)はどうやってデバッグしていますか?

先ほどの質問との違いがお分かりになるでしょうか。

前者は、思考停止の質問、後者は「相談風」の質問になります。

人は、自分が優位に立っていると感じた時、饒舌になるものです。自分のやり方が相手より優れていると感じた場合は、「ドヤ顔で」教えてくれます。

また、この質問の仕方なら相手は惜しみなく知識を披露してくれます(断言します)。

スキルコピーの胆は、「相手が持っている情報をいかに引き出すか」になります。

知識の出し惜しみをされたら後々面倒なので、先にも申し上げた通り、コピーした事を相手に気づかせないように細心の注意を払って下さい。

また、もう一つ重要なことは、「スキルを実際に見せてもらう」ことです。

口頭で説明されてもポイント3が実践しにくいので、必ず目視でスキルを確認してください。

デバッグの例で言うと、エラーになったプログラムをデバッグしてもらって、プログラムの修正を行うところまでです。

ポイント3: スキルが身に付くまで繰り返し実践する

スキルを教えてもらったら、自分で同じ手順をなぞってください。

リーダーが修正したプログラムをエラーの状態に戻し、自分でデバッグ&修正をひたすら繰り返します。

この時大切なのは、「何故このように修正したのか」を常に考えながら作業してください。

この工程は、「リーダーが試行錯誤して乗り越えて得た思考(教訓)」をコピーするためのものです。

人間の思考というものは、作業手順の中に色濃く出ます。

ポイント4: コピー対象の人に作業の考え方について聞く

ポイント3で「この人はこう考えて、こうしたんだろうな~」という推論が立てられたら、リーダーに考え方を聞いてみましょう。

ポイント2でも書きましたが、思考停止した質問をしないように気をつけてください。

また、応用技の「ヨイショ」も併せて使ってください。

例えば、以下のような感じです。

先日教わったデバッグ方法、すごくよかったです!さすがTさんですね。数々の死線をくぐっていらっしゃる(雑談)。ところで、このデバッグ方法なのですが、○○することで~(自分の考えを述べる)

ポイント1~4のルーティンを正常に完了させることができれば、この時点で信頼関係みたいなものが結べているはずです。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくれば自然体でスキルコピーができるようになります。

スキルコピーに必要な素養

スキルコピーには、次の「人間的素養」が必要不可欠になります。

スキルコピーに必要な素養
・ 子供並みの素直さ
・ 情報発信能力

一つずつ見ていきましょう。

子供の並みの素直さ

スキルコピーの恩恵を最大限受けるには「素直さ」が一番重要です。素直さがなければ、相手からスキルを学ぼうとしません。

人は年を取っていくと、自分のやり方に固執するようになります。

老化により記憶力が低下する、新しい手法を覚えることが面倒になる、無駄なプライドを持つようになる、などなど理由はたくさんあるのでしょうね。

情報発信能力

スキルコピーには、情報発信能力が必要不可欠です。

発信する情報はなんでもいいです。

「自分はこう考えているのだが、どうかな?」みたいな感じでチームメンバーに情報を流します。

優しいチームメンバーの場合は、「こういうやり方があるよ」とリプライを返してくれる為、その人に対してスキルコピーをしてください。

また、他人からの質問には面倒くさがらずに全力で答えてください。人は、
自分にとって利益がある人」と関わりを持ちたいと思います。

自分から情報を積極的に出していくことで、相手からも様々な情報を引き出すことが可能になります。

スキルコピーにうってつけの職業形態

スキルコピーにうってつけの職業形態は、「派遣社員」です。

派遣社員だと3ヵ月の契約期間で働けるため、習得するスキルがなくなったとき、職場を変えることが可能です。

これは、「わらしべ長者戦略」とかけ合わせると何倍も効果が上がります。

わらしべ長者戦略とは、今持っているスキルを担保に「より高難易度の案件に参画する戦略」です。

もちろん、派遣社員にもデメリットがありますので、あくまで私の個人的見解だと思っておいてください。

あとがき

最後に注意点をお伝えします。

スキルコピーする場合は、必ず相手に感謝をするようにしてください。

そして、自分のスキルを次の世代にも伝えてください。

そうすれば、お互いがWin-Winな関係を結べてhappyになれると思います^^

それでは、またっ!

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